つみたてNISAで投資信託から投資をはじめられた方もしくははじめようと考えている方は多いのではないでしょうか。
その場合によくある悩みが「米国株」と「全世界株」のどちらでのインデックス投資がいいのかがありますよね。
「アメリカの経済は成長していそうだけど1択でいいのかな・・・」
「世界全体と言っても成長していない国もあるかもしれないな・・・」
など考えても答えが出ないですよね。
ですのでどちらがいいかを検討している方向けにそれぞれの特徴から選ぶポイントをまとめてみました。
ということで今回は「「米国株」と「全世界株」どちらが投資初心者向けか」についてです。
ちなみに両学長が発信している内容を参考にして2022年版として記事にしましたので最新情報として最後までぜひ読んでみて下さい。
比較をする対象について
ティッカー | VOO(米国) | VT(全世界) |
名称 | バンガードS&P500 ETF | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF |
運用会社 | バンガード | バンガード |
ベンチマーク | S&P500種指数 | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス |
銘柄数 | 503(2022年12月現在) | 9510(2022年12月現在) |
投資対象 | 米国の大型株を四半期ごとに時価総額加重平均を用いて保有銘柄のウエートを算定しリバランス | 先進国と新興国市場の両方を対象に時価総額加重の算出法を採用して保有銘柄は四半期ごとにリバランス。 |
経費率 | 0.03% | 0.07% |
あらためてですが下記にも表記しているETFを参考していきます。
クリックするとヴァンガード公式のETF情報がみれますよ。
【米国株】
VOO(バンガードS&P500 ETF)
【全世界株】
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
ともにバンガード社が運用するETFになります。
特に理解しておいていただきたいのは投資先です。
VOOは米国の大型株の約500社
VTは先進国・新興国の両方へ約9,500社
ともに分散はできています。
特にVTは全世界というだけあってかなりの銘柄数になりますよね。
ちなみに全世界株と言っても新興国より小さいフロンティアマーケットは入っていません。
もしフロンティアマーケットへの投資も検討される場合は現状でしたらFM(iシェアーズ MSCI フロンティア & セレクトEM ETF)が有力候補としておすすめです。
ですがフロンティアマーケットは一度投資マネーが入ると高騰しますが流動性が悪かったり不正が多い国が入っていて下落のリスクもあります。
そのため購入時期を考慮する必要があるんですよね。
詳細についてはこちらの記事(【バフェット太郎さんも推奨】次のブル相場になるフロンティア・マーケットとは【おすすめETFも紹介】)をあわせて読んでみて下さい。
それではVOOとVTの比較をしていきますね。
株価チャートの比較
まずは年初来で比較をしてみます。
VOO(ブルー) -19.89%
VT(イエロー) -20.12%
時期によってはVOOが勝っていましたがほとんどですが大差がない程度でした。
次は5年チャートで比較してみますね。
VOO(ブルー) +43.45%
VT(イエロー) +16.23%
5年でみた場合にはVOOが圧勝になりました。
やはりここ10年でのGAFAMなどハイテク企業の成長などアメリカの強さを感じます。
ちなみに設定来もあわせて比較してみますね。
VOO(ブルー) +245.72%
VT(イエロー) +74.36%
ちなみに設定についてVOOは2010年9月でVTは2008年6月です。
約10年でみても5年同様でVOOの完全圧勝になりました。
このデータはあくまで過去の実績になりますので未来も必ずではありません。
なのであくまで参考となることをご理解下さい。
また株式市場の10年周期をみていくと過去10年で米国株の時代でした。
次は新興国株がここから先10年ブルマーケット(強気相場)になる可能性が高いです。
その点を考慮して検討していただくといいかもですね。
ちなみにチャートの見方や銘柄選定などは基礎知識を「投資の達人になる投資講座」で学ぶのがおすすめですよ。
実際にセミナー受講してみたレビュー記事はこちら
検討されている際には参考にぜひ一読下さい。
VTの国別構成比
前の章では株価チャートの比較をしていきました。
次は国別構成比についてです。
VOOについてですがアメリカの大型株約500社でしたよね。
ではVTの国別構成比をみていこうと思います。
上記の画像はバンガード社のHPよりVTの上位10国を抜き出しました。
※2022年12月27日現在
ここから分かるようにVTの約60%がアメリカになっています。
前章でも説明していますがアメリカが伸びていることからも比重が高くなるのは必然に感じますよね。
また10年サイクルでみて今後ブルマーケットが新興国になる可能性を考えると中国・インドなどの比率はとても高くなっていくと予想ができます。
そういった点もふまえて国別の比率も検討する際のポイントにしていただくといいのではないでしょうか。
ですので国別の構成比もぜひ検討時の参考にしてみて下さいね。
次は米国株が全世界株をここまでアウトパフォームしてきた理由についても説明していきますね。
米国株の強さとは
✓人口推移の予想
上記のグラフからも分かるようにアメリカについては人口の増加が今後も予想されています。
一方で日本をはじめドイツ・フランス・イギリスなどの先進国は全て横這いまたは下降トレンドです。
このようにアメリカが人口増加の傾向が分かるので経済が動いていくと分かります。
そのため今後もまたアメリカの経済が伸びる時期が来ると予想できますよね。
✓イノベーションはいつもアメリカから
GAFAMなどで世界を変えられる企業が出てくるのはアメリカに多いと言われています。
日本やヨーロッパでもなかなか出てきませんよね。
アメリカがテック企業が生まれやすい土壌(人口数や文化)があるのだと感じます。
✓アメリカは法整備されていて、さらに株主重視の考え根付いている
アメリカは自社株買い(企業が「自分の会社の株」を買い戻すこと)が盛んに行われてます。
基本的にこれが行われると株価が上がるからなんですよね。
実はS&P500も自社株買いの影響を除いてしまうと現在より20%以上株価が落ちるとも言われているそうです。
またアメリカは配当をできる限り増やしていく方針を持つ企業が多いのが特徴です。
そのため我々のような個人投資家が投資したくなるのも理解ができるのではないでしょうか。
というようにアメリカは投資家の応援が増える文化があるため投資マネーが集まりやすい環境です。
この点はぜひ覚えておいて下さいね。
次は米国と米国以外(米国を除く先進国)の比較もしておこうと思います。
米国株と米国以外株の比較
ちなみにVOOとVEA(米国を除く先進国株)の比較です。
VOO(ブルー) -20.21%
VEA(イエロー) -17.85
両学長も同様の比較をしていたのですがその時期と違う結果に2022年末はなっていたので参考にお伝えしますね。
ちなみに2021年までについてはVOOがVEAを大きくアウトパフォームしていました。
ですが2022年の1年でみた場合にはVOOが負ける結果になりましたね。
アメリカ1強の図式が変わってきた時期になったのが分かります。
より理解していけるように次の章ではGDP成長率の予想もみていきますね。
GDP成長率について
上記はIMF(国際通貨基金)が出している「世界経済見通し (WEO) 2022年10月」になります。
世界経済見通しによる最新の成長率予測を国別にみれるのですが2023年についてはアメリカは1.0%と予想されています。
比較して新興国にあたる中国は4.4%・インドも6.1%とアメリカより成長が予想されていました。
現状としては新興国の成長がアメリカを上回ることが見えてくると理解ができます。
ここでもアメリカ1強が崩れてきていることが分かりますよね。
結論ですが「全世界株」に長期的な視野で投資がおすすめ
今回は主にVOOとVTの比較から米国株か全世界株のどちらがいいのかをみてきました。
内容としては2021年までの過去10年位のロングレンジでアメリカが他国を大きくアウトパフォームしてきましたが2022年を期に少しずつ状況が変化してきていましたよね。
もちろん市場についてはまた10年ごとのローテーションで図式が変わるか可能性はあります。
ですが「全世界株」にはアメリカが6割入っていることを考えると無難になるかと考えられますよね。
ですので検討の際に絶対にアメリカが今後もリードしていくと自信が持てない場合は「全世界株」でアメリカにも新興国にもともに投資を検討されるのがいいのではないでしょうか。
また私も同感だったのですが両学長が「米国株か全世界株か」よりも「貯蓄か投資か」を考えることのほうが資産形成にはより大切な考えになると言っていました。
ちなみにトマ・ピケティ氏(経済学者)が唱えている「r>g」はご存知でしょうか?
この公式は「資産を持っている人はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」というものです。
私たちが資産形成をしていくうえでより意識するといいのは投資なりで資産の最大化をどのようにしていくかになります。
ですので「r>g」の意味を考えると今後も許容できるリスクで投資をすることが重要になるのではないでしょうか。
このブログでは今後も資産の最大化ができるヒントになるように投資や資産形成の情報を発信していきますのでぜひお付き合い下さい。
最後になりますが2022年もありがとうございました。
また2023年もさらに勉強をしながらより内容を濃くできるように頑張ります。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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