このブログでは個別株よりもETFを主にご紹介をしてきていますがETFは各国の証券市場で取引されて東京証券取引所でも多くのETFが上場されています。またこのように東証に情報をしているETFは「東証ETF」と言われています。
今回はその東証ETFについてFIREを達成した投資家であり、さまざまなメディアで資産運用の情報を発信をいしているたぱぞうさんと東京証券取引所の株式部株式総務グループ兼ETF推進部・上場推進部の岡崎啓さんが対談した記事が出ていました。
その記事の中から東証上場ETFを購入するメリットや今後について言及されていましたのでポイントを選んでまとめていこうと思います。
ということで今回は「東証ETFに詳しいたぱぞうさんの対談よりメリットと今後」についてです。
【この記事をみて分かること】
・東証ETFとは
・ETFと投資信託の比較
・東証ETFのメリット
・東証ETFの現在地
・東証ETFへの期待
・東証ETFのまとめ
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東証ETFとは
まずETFについて簡単に説明をしておきますと「Exchange Traded Fund」の略で日本語では「上場投資信託」と言われていて、ETFは投資信託の一種ではありますが一般的な投資信託とは違って取引所に上場しているため個別の株式と同じように証券会社を通じて取引所で売買することができるという点が最大の特徴になります。
またETFは日本では日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、米国ではS&P500やNASDAQ等といった何らかの指数に連動するように運用されている指数連動型の投資信託の一種で、連動対象としている指数は、国内株式や海外株式だけでなく、債券、REIT(リート)、コモディティ(商品)、等その対象資産は幅広いものとなっています。
この記事でご紹介する東証ETFについては指数の動きに連動した運用成果を目指しているという点では投資信託であるインデックスファンドと同じだと理解ができますよね。また今回ご紹介する東証ETFは東京証券取引所に上場をしているETFの中でも海外の指数に連動をするETFが主体になっています。
例えば米国で有名なS&P500に連動しているIVVなどの米国株ETFは通常はドルで購入をする流れになっています。ここ最近ではこのような米国株ETFを円で購入できる東証ETFが続々誕生してきています。
今回はこのような円で購入が可能な海外ETFであるとご理解いただいたうえで記事を読み進めてもらえると幸いです。
ETFと投資信託の比較
投資信託とETFのもっとも大きな違いを簡単にご説明しておくのですが「証券取引所に上場しているか、していないか」で、投資信託は証券会社や銀行・郵便局などでも取扱いがありますがETFは証券会社でのみ取り扱われています。
また投資信託の場合は証券会社によっては100円からでも購入可能になりますがETFの最低購入価格は株式と同じように価格と取引単位によって決まっています。
そのためETFのメリットは投資コストが低く、保有している間は運用管理費用(信託報酬)がかかりますが、その費用は同じ指数に連動する投資信託よりETFの方が低くなっている傾向があるという点があります。
さらにたぱぞうさんは投資信託も悪くないのですが、ETFはつねに現在値が分かり、取引時間内ならいつでもリアルタイムで売買できる点だと述べていました。また値動きのうねり、つまり、大きく株価が変動したタイミングで値上がり・値下がりを細かくとらえてピンポイントで売買したいことがあるのでとても重宝しているとのこと。
ですが基本的には中長期でETFを長く保有するのがたぱぞうさんのスタンスで、特にS&P500連動のETFは細かく売ったりせず、長期保有で含み益を出していく考えだそうです。ですので余計なことはせずに持ち続けていれば良い銘柄だと思っていると述べていました。また仮に子どもに相続しても、手間のかからない“良い資産”になると考えられていて、私が生きているうちにこのETFを売って現金化する可能性は低いかもしれないと仰っていました。
岡崎氏は私たち東証が課題として抱えているのは、個人投資家の方に東証上場ETFがまだ十分活用されていないことと述べていました。ユーザーの多くは銀行や保険会社などの金融機関であり、東証の調査では個人の利用はETF全体の残高(日銀保有分除く)のうち約13%にとどまっているようです。
たぱぞうさんは確かに一般の個人投資家の方はまだあまり知らなかったり、使っていなかったりという印象があると述べていました。
その理由として東証上場ETFの情報が少ないのも要因かもと予想していて投資に詳しい方は自分から情報を探すので問題ないですが、初心者の方は個別株や投資信託に比べて情報に触れる機会が少なく、たどりつきにくい気がするとも仰っています。
さらに岡崎氏はたぱぞうさんへ個人投資家の方が東証上場ETFを活用するならどのような使い方が良いいかを質問しています。
その回答として長期投資や積立投資にも向いていますし、先ほど話したように値動きのうねりで利益を得たい人にも良いと思うと。また自分のタイミングで売買できますから、もともと個別株でそういった取引をしてきた方には合うのではないでしょうかと仰っていました。
東証ETFのメリット
記事の中からたぱぞうさんが質問に答えてメリットを話されていましたのでその点をシェアします。
■円で注文できるから
ここ数年でたぱぞうさんは東証上場ETFをかなり活用されていて、運用のメインになっているとのこと。ちなみによく取引するのはアメリカのS&P500に連動したETFですが、2023年は米国債のETF、それも20年超の長期国債に連動するETFをかなり売買されているとのことでした。
さらにその理由について質問されると「円建てで売買できること」だと回答。海外上場ETFの場合は私たち投資家が円をドルに転換して売買するのが一般的ですが、一方で東証上場ETFは円のまま売買することができてその後、商品を運用する側でドルに転換します。
そしてこの点について岡崎氏は東証ETFは「為替調達コスト」が低いのも特徴だと言っていて、例えばS&P500や米国債に連動するETFを取引する際は円をドルに換えるには一定の為替調達コストがかかります。また為替調達は量が多いほどコストが下がるため、東証ETFでは、個人の方がそれぞれ為替を調達するのではなく、個人が円で注文したものを一度まとめて、ETFの運用会社が大量の為替を調達します。こういった仕組みで為替調達コストを減らしているとのことでした。
またたぱぞうさんは個人的な話と前置きしていますが「会社を作って資産運用するようになってから、すべて円で取引した方が税務的にも煩雑にならない」という理由もあるとのことでした。
■二重課税免除について
記事内では説明はなかったのですが日本取引所グループのサイトが分かりやすかったので抜粋しておきます。
1.対象となる銘柄は、外国資産(株式・不動産等)に投資を行い、そこから生じた利益を元に投資家に分配金を支払っている投資信託等になります。これらの投資信託等が2020年1月1日以降に支払う分配金については、自動的に二重課税調整が行われるとのこと。
ですが対象となる投資信託等をNISA口座で保有されている場合は、国税分は非課税となり、外国との二重課税状態が発生しませんので、本措置の対象とはなりません。
この点はメリットになりますので覚えておくといいのではないでしょうか。
2.上場商品のうち、二重課税調整の対象となる可能性が高い銘柄は、こちらからご確認ください。
※分配金の支払い有無や、当該銘柄が保有している口座(NISA口座か否か)等により、実際には二重課税調整の対象とならない可能性があるようです。保有している銘柄が制度の対象になっているかご確認される場合は、ご利用の証券会社までお問い合わせくださいとなっていますのでその点は注意して下さい。
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東証ETFの現在地
岡崎氏は私たち東証が課題として抱えているのは、個人投資家の方に東証上場ETFがまだ十分活用されていないことと述べていました。ユーザーの多くは銀行や保険会社などの金融機関であり、東証の調査では個人の利用はETF全体の残高(日銀保有分除く)のうち約13%にとどまっているようです。
たぱぞうさんは確かに一般の個人投資家の方はまだあまり知らなかったり、使っていなかったりという印象があると述べていて、その理由として東証上場ETFの情報が少ないのも要因かもと予想しています。投資に詳しい方は自分から情報を探すので問題ないですが、初心者の方は個別株や投資信託に比べて情報に触れる機会が少なく、たどりつきにくい気がするとも仰っています。
さらに岡崎氏はたぱぞうさんへ個人投資家の方が東証上場ETFを活用するならどのような使い方が良いいかを質問しています。
その回答として長期投資や積立投資にも向いていますし、先ほど話したように値動きのうねりで利益を得たい人にも良いと思うと。また自分のタイミングで売買できますから、もともと個別株でそういった取引をしてきた方には合うのではないでしょうかと仰っていました。
新しいNISAの成長投資枠にもETFは含まれていますし、短期から中長期まで、オールラウンドに使える点から結論としてたぱぞうさんは「短期から中長期まで、個人投資家はオールラウンドに東証ETFを使える」と述べていました。
東証ETFへの期待
最後に岡崎氏は東証ETFに対する課題や「もっとこうしてほしい」という意見があるかたぱぞうさんへ質問されています。
■セクター(業種)別ETF
その回答としてアメリカのセクター(業種)別ETFがあったらうれしいと述べていました。また債券ETFに不動産リートのETF、高配当ETFなど、銘柄のバリエーションはかなり揃ってきた印象がありますのでさらにそれも追加されたら良いかなととのことでした。
この点について岡崎氏はアメリカのセクター別ETFはまさにいま私たちも注力しているところで、ぜひ実現したいと思っていると述べていましたので個人投資は今後に期待といったところではないでしょうか。
■トラッキング制度
またたぱぞうさんはそのほかに強いて課題を挙げるなら「トラッキング精度」でETFは何かしらの指標・インデックスに連動して動くものが多く、S&P500連動なら基本的にS&P500指数の値動きがETFに反映されます。
いかにベースの指標と同じ動きをするかがトラッキング精度の高さと言えるのですが、以前に比べると格段に良くなったものの、債券のETFなどは同じ指標をベースにしているものでも銘柄ごとの値動きに若干の差があるなど、やや気になる部分があると言います。S&P500連動ETFのような人気のある銘柄は、私の見ている限り問題ないとも述べていました。
岡崎氏はETFも上場銘柄が増えていくと銘柄ごとに取引量の差が出てきていて、活発に取引が行われないとその銘柄自体のトラッキング精度や流動性が落ちる懸念もあると述べています。
すでに導入しているマーケットメイク制度(※)を含め、きちんとフォローしていきたいと仰っていました。
ちなみに銘柄ごとに指定されたマーケットメイカーが常時「売り」「買い」の気配値を提示することで、対象のETFに対して、需給動向を踏まえた公正な価格で十分な量の気配が提示されることにより、投資家が売買をしたいタイミングで、より良い価格で売買する環境を提供できるようです。
この点については個人投資家にとっては安心できる要素になりますが債券ETFを検討される場合はチャートにて値動きを確認したうえで購入をされると安心かと思います。
■あらたな指標のETF
さらにたぱぞうさんは素朴な疑問としてたとえば東証で「これから伸びそうな日本企業指数」のような新しい指標を作るのは難しいのかを質問されていました。
TOPIXは上場銘柄すべてを対象にした指標ですが、もっと対象を絞った指標があるといいかなと。わかりやすいところで言えば、NYダウはわずか30社をさまざまな選定基準で選んでおり、定期的に選定企業の入れ替えも行われますよね。日本もシンプルにこれから伸びそうな銘柄の指標を設け、それにもとづいたETFを作れたら面白そうな気がしていると仰っていました。
個人的にですが下記のETFはたぱぞうさんが仰っていますETFになり得るのではないかと思いますのでご紹介しておきます。
その点について岡崎氏は指標を作るのは難しいが、近いものとして「アクティブETF」があると回答。
これは連動する指標やインデックスがないETFで、市場平均より高いリターンを目指して運用会社が組入銘柄や配分を自由に決められるものだと説明していました。
さらにアクティブETFは2023年に解禁されたばかりですが、すでに「PBR改善を期待できる企業群に投資するETF」などが上場されていて「これから伸びる企業」を投資のプロである運用会社が選定し、ETFにすることも可能になっていると説明していました。
そしてたぱぞうさんはそういった中から人気のETFが生まれると世界からも注目され、市場の活性化にもつながるかもしれないと予想しています。企業も株価上昇に力をいれる流れになればPBR改善も含めてより良いマーケットになっていくのではないでしょうかと仰っていました。
東証ETFのまとめ
今回は投資インフルエンサーのたぱぞうさんと東京証券取引所の株式部株式総務グループ兼ETF推進部・上場推進部の岡崎啓さんの対談記事より東証ETFについてまとめてきました。2名の有識者の対談よりメリット・現在地・期待したい点などがより分かりました。
【東証ETFとは】
・日経平均・TOPIXまたはS&P500・NASDAQ等の指数に連動して運用
・投資信託と同様に指数の動きに連動した運用成果を目指している
・S&P500に連動しているIVVなどの米国株ETFを円で購入可能
・米国・日本での二重課税調整が可能
このように東証ETFの特徴は米国の有名指数などに対して円で売買ができるのが今回ご紹介をしてきた東証ETFになります。また節税ができる点もメリットとして理解できるのではないでしょうか。
実際にS&P500に円で投資可能な東証ETFについてはこちらの記事もご確認下さい。
■東証ETFの現在地
まだ情報が少ない点から知名度が高くないのが課題ですがたぱぞうさんは「短期から中長期まで、個人投資家はオールラウンドに東証ETFを使える」と仰っています。
円で米国ETFを購入できて上場している点から投資信託よりスムーズに売買ができるのがメリットになります。そのため値動きのうねりで利益を得たい人にも相性が良く、自分のタイミングで売買ができる点いいのではないでしょうか。
■東証ETFへの期待
この点についてたぱぞうさんも仰っていましたがアメリカのセクター(業種)のETFが出てくると選択肢が増えるので嬉しいですよね。
現状でも米国の高配当に特化したETFなどとバリュエーションは増えてきているのも事実です。
実際に米国の高配当ETF(例えばHDV)に円で投資可能な東証ETFについてはこちらの記事もご確認下さい。
さらにこのセカユタblogの東証ETF記事で一番読んでいただいているのはアメリカ大手テック企業にまとめて投資可能な東証ETFの「Global X US テック・トップ20 ETF(2244)」ですのでこちらもあわせて読んでみて下さいね。
たぱぞうさんが言及していましたがトラッキング制度(指数との連動度合)も今後はより精度が上がる可能性を感じます。
また記事ではあまり触れられていませんでしたが現在では新NISA(成長投資枠)で購入できる東証ETFも増えてきています。二重課税調整もそうですが新NISAにて売買することでさらに節税できるのもメリットです。
このように現状では情報がまだ不足している印象はありますが個人的にもラインナップが増えるであろうと感じていてより日本でも米国に分散投資がしやすい環境が整うなと考えています。
この記事をきっかけに東証ETFにご興味を持って頂けましたら幸いです。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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