2024年7月26日に広瀬隆雄さんがトウシルで「頭を冷やそう」という内容の記事を出されていました。現在の米国市場を俯瞰してみるのにとても参考になる内容でしたのでぜひシェアさせて頂きます。
また記事の内容を補足する形でロイターの記事なども抜粋してありますので市場の現況が理解しやすくなるようにまとめてみました。
現状が把握できると思いますのでぜひ最後まで読んでみて下さい。
ということで今回は「【広瀬隆雄さん】マーケットがちぐはぐな動きをするときは休め!」についてです。
【この記事をみて分かること】
・調整局面
・マーケットがちぐはぐな理由
・景気後退の可能性について
・AIブームへの疑問
・利下げ時期について
・大統領選挙の不透明感
・売買代金ランキング
・個人投資家にできること
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調整局面
ナスダック総合指数は7月10日に高値をつけた後、これを書いている現在、7月25日ザラバの時点で−6.3%の調整となっていると広瀬氏は述べていました。
ちなみに私がこの記事を買いている7月29日現在のチャートも確認しておこうと思います。
50日移動平均線がサポートラインにはならずに下回り始めていました。
また広瀬氏は同様にS&P500指数も−3.4%さがっていると述べていますのでこちらもナスダックと同じく7月29日現在のチャートも確認しておこうと思います。
S&P500も50日移動平均線がサポートラインにはならずに下回り始めていますよね。
確実にトレンドが変わってきて調整局面だということが分かるのではないでしょうか。
また広瀬氏の記事にはありませんが現在はナスダックやS&P500のような大型銘柄ではなくてラッセル2000などの中・小型に矛先が向きはじめていますので参考に比較チャートを確認しておきますね。
広瀬氏は為替にも言及をしていてドル円は同じ期間に4.9%の円高となっていますと述べていましたので同様に為替もチャートで確認をしておきますね。
直近では7月11日あたりで160円をつけてそこから急激に円高へ振れていました。ちなみに8月2日現在ではなんと200日移動平均線も割り込み150円付近で推移をしています。
まずここまでのまとめとして上記のようにナスダック・S&P500は広瀬氏が言うように直近ではともに50日移動平均線を割り込み調整局面に入りはじめた様相になってきています。
マーケットがちぐはぐな理由
【広瀬氏の見解】
1.ソフトランディングのシナリオが揺らいでいる
2.AIブームが本当に長期に継続するのか
疑問視する声が出ている
3.連邦準備制度理事会が期待通り
利下げする保証はなくなっている
4.トランプが大統領選挙で
勝つかどうかわからなくなっている
広瀬氏はマーケットのねじれについては上記が理由で起きていると仰っていますがそれぞれの背景については記事内では言及がありませんでした。
そのためロイターなどの情報からこの4つの要因について深掘りをしてみようと思います。
景気後退の可能性について
【広瀬氏の見解】
■ソフトランディングのシナリオが揺らいでいる
この点については歴史的に見て景気後退の初期段階にあることを示す極めて正確な指標となっているサームルールもみておこうと思います。ルールの考案者で元アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミスト、クラウディア・サーム氏によると、このルールは1970年代以降すべての景気後退を的確に予測していたと仰っています。
実際に0.5になると景気後退のシグナルと言われていますが現在はFREDで確認すると0.43まで上昇をしてきています。また長期国債の利回りが短期国債利回りを下回る逆イールドカーブの解消が近づいていることにも触れておこうと思います。
画像のグレー部分が景気後退ですがマイナスからプラスの領域へチャートが移動しているタイミングでもれなく景気後退になっています。また現在は赤矢印の部分になりますがマイナス圏内をもうすぐ抜けそうなところまで上昇してきています。
もちろん絶対はありませんが過去のアノマリーで考えると長短金利差が0を越えた付近で景気後退に入る可能性は否定できません。このようにFRBが出している数字をみていくとソフトランディングについては少し揺らいでいるのも分かるのではないでしょうか。
AIブームへの疑問
【広瀬氏の見解】
■AIブームが本当に長期に継続するのか疑問視する声が出ている
この点について2024年7月19日にロイターが「AIブームに陰りか、膨大な投資が実を結ばない恐れも」と報じていました。
内容を確認してみるとS&P500におけるウエートの3割強、年初来上昇率のおよそ3分の2を占めてきた超大型7銘柄「マグニフィセント・セブン」は、大きなリスクにさらされるとしています。
7月10日に発表された米消費者物価指数(CPI)が予想外に鈍化して以来、ラッセル2000は10%上がったが、マグニフィセント・セブンのETFとニューヨーク証券取引所の「FANG+(ファングプラス)指数」はいずれも5%余り下落し、S&P500もマイナスになっていました。
さらにマサチューセッツ工科大学(MIT)のダロン・アセモグル教授は5月、以前に記したAIの経済効果に関する専門的な論文を簡潔にまとめた「AIの誇大広告を信じるな」というコラムを発表。AI技術が向こう10年でもたらす生産性押し上げ効果は全体でも0.53%、年間ベースではわずか0.05%にとどまるとの推計を示しているとのことでした。
もちろん効果についてこれから出てくるものですので絶対ではありませんがこのように疑問視をする流れがあることも理解しておくことは大切ではないでしょうか。
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利下げ時期について
【広瀬氏の見解】
■連邦準備制度理事会が期待通り利下げする保証はなくなっている
この点ついては7月29日にインヴァストナビで出された広瀬氏の記事に見解に対する回答が出ていましたので抜粋しておきます。
広瀬氏は記事で「実際には身動き取れない」と述べています。
内容としては大統領選挙との絡みですが、本投票が11月に迫っているのでいま利下げを開始するとあからさまに民主党の肩を持っているというメッセージが出てしまうと。また実際、共和党大統領候補ドナルド・トランプ氏も「このタイミングで利下げというのはアメリカの慣習に背く行為だ」と牽制しているととのこと。
中央銀行は政治からは超然とした存在である必要があるので、(予防的に、早めに利下げしておこう)という行為は政治介入と受け止められかねません。ですが折り悪くFRBは政策金利決定枠組みの見直しの討議に入っています。
前回の見直しでは「少々物価が上がり始めても、ゆっくり利上げに転じれば良い」という基本方針が打ち出され、これが新型コロナ後の経済再開局面でFRBの初動を遅らせる原因となってしまったと。
そのことはFRBの歴史でも稀に見る汚点であり、いまその過ちを正すための議論が進められている最中です。FRBの内部には批判の声も多く意見調整は困難を極めるはずだと予想をされていました。
またそんな中で市場参加者はどのように考えているか念のためですがCMEフェドウォッチで確認をしておきますね。
2024年7月30日現在では9月・11月・12月の3回を織り込んでいました。広瀬氏はFRBは身動きが取れないと言ってまる中で市場参加者は現状が3回を予想となるとこの点も乖離がある状況ですね。
ここまでは市場参加者は利下げ期待で動いている傾向にあったと理解しておく必要がありそうですよね。また選挙が終わるまでは利上げがないシナリオも個人的には考えておこうと思います。
大統領選挙の不透明感
【広瀬氏の見解】
■トランプが大統領選挙で勝つかどうかわからなくなっている
この点については2024年7月22日に出ていたクイニピアック大学世論調査の結果が参考になりそうでしたのでシェアしておきます。
ジョー・バイデン大統領が2024年の大統領選から撤退し、民主党候補としてカマラ・ハリス副大統領を推薦した翌日、クイニピアック大学が登録有権者を対象に実施した全国世論調査です。有権者の49%がドナルド・トランプ前大統領を支持し、47%がハリス氏を支持した。リードは誤差範囲内であり、明確なリーダーはいないとなっていました。
このように拮抗した状況になっていますので11月までは動向をしっかりとチェックしていこうと思います。
【広瀬氏の総括】
という具合に、我々が(こうなるに決まっている!)と思い込んでいた前提の多くが揺らぎ始めているからだと広瀬氏は述べています。また個々の材料は些細でも、全体として見た場合、先行きの不透明感は大きく増大したと仰っていました。
結果として(どうも最近、自分の思うようにうまくトレードできない)と感じる投資家が増えていて、いろいろな原資産の価格のブレ(=ボラティリティ)も増大しており、ポートフォリオ全体として見た場合、居心地が悪いほど評価額が変動しはじめているとお考えでした。
機関投資家はこのような場合、すこしポートフォリオ全体のリスクを落とすことが重要でレバレッジを使ったトレードをしている際は、レバレッジを落とすことをしていると言及されています。
売買代金ランキング
ここで楽天証券のサイトで「米国ETF 売買代金ランキング-上位20銘柄(ランキング対象期間 7月14日~7月20日)」を確認しておきます。なんと上位10位で確認してみるとなんと6つがレバレッジETFとなっていました。日本の投資家はかなり強気であることが分かりますよね。
個人的には広瀬氏の言及通りにポジションを取っておこうと思います。
こちらの内容も参考までに確認をしておいて下さい。
では広瀬氏が個人投資家へ今の局面での対処法に言及されていましたので次章でまとめておきますね。
個人投資家にできること
このようにマーケットがちぐはぐな動きをしている局面ではどう対処すべきかについて広瀬氏が言及していた内容は下記になります。
まず機関投資家にも出来ないことは個人投資家にも出来ないと広瀬氏は言っています。また彼らがうまくトレードできてないのなら、あなただけがうまくトレードできると考えるのは虫が良すぎると。
みんながポートフォリオ全体のリスクを落としているときは、蛮勇を起こさず、あなたも頭を冷やすことが大切だと述べていました。
冒頭に述べた不透明感は直ぐに払拭されるものは無く、これから一層、混迷を極めることが予想されることばかりです。「休むも相場」という格言がありますが、いまは無理しない方が良いと仰っていました。
みなさんはどのようにお考えでしょうか。
個人的には大統領選挙付近までは現金比率高いポジションにしておいて11月付近であらためて投資比率を高めようと考えています。記事のまとめは以上になりますが今回の記事が読んで下さった方のお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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