現在、米国市場は関税、景気後退懸念、FRB議長解任など不透明感からとても厳しい状況が続いています。実際にグーグルファイナンスで確認をすると年初来トータルリターンはS&P500(-10.10%)、ナスダック(-15.59%)、ダウ(-7.89%)となっています。
また関税問題については世界的に株安への影響がありましたよね。そんな中で年初来で約20%のトータルリターンとなっている国があります。
それがドイツです。
後述もしますがドイツは財政拡大によって立て直しを図っていて、今後の期待感から株価がとても順調に推移指しています。ですので今回はドイツを代表する指数に連動するETFのEWGについて解説をしていきます。

ということで今回は「ドイツの代表指数に連動するETFのEWG」についてです。
【この記事をみて分かること】
・ドイツ経済の現況
・EWGについて
・基本情報
・株価について
・組入れ銘柄とセクター比率
・配当実績
・EWGまとめ
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ドイツ経済の現況

EWGの解説に入る前にドイツ経済の現況について簡単に触れておこうと思います。この点については日本総研が出した2025年4月4日のレポートが分かりやすかったのでシェアしておきます。
「欧州の財政拡大がユーロを下支え― ドイツでは老朽化したインフラの更新投資が景気に追い風」
欧州委員会やドイツ政府が財政拡大方針を示し、ユーロ圏景気の回復期待が高まったことがユーロを押し上げ。欧州委員会は防衛力強化のため「再軍備計画」を発表したほか、ドイツでは、財政規律ルールを緩和する内容が盛り込まれた基本法の改正案が可決されたとしていました。
低迷するドイツのインフラ投資増額もユーロ高材料。ドイツでは、国内インフラの老朽化が深刻化しており、企業の生産活動を阻害。ドイツ経済研究所の試算によれば、インフラ投資増額が実現した場合、2026年の実質GDP成長率は1%程押し上げられる見込みとのことでした
さらにブルームバーグで「ゴールドマン、ドイツ成長率予測引き上げ-ECB利下げ予想は後退」と報じていました。
ドイツ経済は自国の防衛費増額計画によって景気が上向き、それが近隣国にも波及するほか、ユーロ圏の他の国も国防費増加に動くとゴールドマン・サックス・グループは予想。
さらにスベン・ヤリ・ステーン氏らゴールドマンのエコノミストは、ドイツ国内総生産(GDP)成長率予測を2025年は0.2ポイント引き上げて0.2%、26年は0.5ポイント上方修正して1.5%としたとのことでした。
このようにドイツの景気上向き傾向から株式市場でも上昇傾向にあります。ですので本日はドイツを代表する指数をベンチマークするETFであるEWGを見ていこうと思います。
EWGについて

正式名称は「iシェアーズ MSCI ドイツ ETF」です。
ベンチマークはMSCI ドイツ・インデックスで、ドイツ市場に上場している株価の動向を示す代表的な指数です。MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)によって算出され、ドイツ市場における大型株から中型株までが対象となっています。
具体的にはMSCIエマージング・マーケット・インデックスのように、時価総額加重平均で算出される指数で、ドイツ市場の株価の動向を把握するための指標として広く活用されています。
このようにドイツを代表する指数であるMSCI ドイツ・インデックスに連動するETFがEWGになります。
ではEWGの内容について次章より解説をしていきますのでぜひ最後まで読んでみて下さいね。
基本情報
ティッカー | EWG |
名称 | iシェアーズ MSCI ドイツ ETF |
運用会社 | ブラックロック |
ベンチマーク | MSCI ドイツ・インデックス |
銘柄数 | 54銘柄 |
投資対象 | ドイツの株式で構成されている MSCI ドイツ・インデックスと 同等の投資成果をあげることを 目指しています。 |
経費率 | 0.50% |
配当月 | 年2回 6/12月 |
直近配当利回り | 2.06% |
設定日 | 1996年3月18日 |
【運用会社】
ブラックロック
ニューヨークに本社を置き世界30ヶ国・70のオフィスに合計18,000名超の従業員が在籍する世界最大の資産運用会社です。S&P500種株価指数を構成する企業の80 %以上において、持ち株比率の上位3位までに入っています。
またゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーなど米ウォール街の投資銀行にとって最大のトレーディング・パートナーであり、米国金融業界に大きな影響力を有しています。
特にインデックス運用においては寡占化が進んでいて、上位3社であるブラックロック、バンガード・グループ、ステート・ストリートは「ビッグ・スリー」と呼ばれています。
【銘柄数】
54銘柄
※公式サイトより
MSCI ドイツ・インデックスはドイツを代表する指数でドイツ国内の主要企業で構成。大型株、中型株を対象としていて、時価総額加重平均方式で算出されているようです。ですのでドイツを代表する大型株、中型株54銘柄で構成されていることが分かります。
【経費率】
0.50%
VTIなどの米国主要ETFの経費率に慣れてしまっているため高い設定に感じていましたが、一般的にはドイツETFの経費率は0.5%程度になるようです。
【直近配当利回り】
2.06%
後述しますが10年平均で2.26%となっていました。また直近では2.8%程度に増配をしてきていました。今後に期待となるのではないでしょうか。
では次の章では購入時に一番気になる株価について触れていこうと思います。
株価について

【EWG株価】
37.03ドル(2025年4月22日現在)
直近の底値は2024年8月6日で29.28ドルとなっていました。そこからは多少の上下はありますが直近の高値である39.32ドルと前回の底値から34.36%も上昇をしていました。2025年4月7日には関税問題の影響からか32.96ドルまで下落しましたがそこから脅威の上昇をして値を戻してきています。
念のためですがS&P500と年初来のリターン比較もしておこうと思います。
S&P500と年初来のリターン比較

冒頭でもお伝えしましたがS&P500のトータルリターンが約-10%という状況の中でEWGは約+20%となっています。
さらに1年で比較もしておこうと思います。

S&P500のトータルリターンが約+4%なんとEWGは約+23%と完全にアウトパフォームをしている結果になっています。
もちろん切り抜く時期によってではありますが少なくとも直近の1年に関しては大きな差が出ているのは事実ではないでしょうか。
ではその株価を構成している銘柄とセクターについて次章で触れておきますね。
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組入れ銘柄とセクター比率
■組入れ銘柄

1位:SAP(15.22%)テクノロジー
2位:シーメンス(9.50%)資本財
3位:アリアンツ(8.85%)金融
4位:ドイツテレコム(7.23%)コミュニケーション
5位:ミュンヘン再保険(5.31%)金融
上記5社のぞれぞれの株価も確認してみましたがどれも上下はありますが
ちなみにこの上位5社で約46%になっていましたのでそれぞれの企業の株価の変動が大きくETFの株価にも影響があることが分かります。
その点からも各企業の株価も見ながら保有はしておいた方がいいかもしれないですね。
■セクター比率

【上位5セクター】
1位:金融(22.89%)
2位:資本財(22.31%)
3位:情報技術(18.18%)
4位:一般消費財(9..47%)
5位:通信(8.17%)
上位をみてみると景気回復の初期から後期に強いセクターの比率が高いようですね。特に製造業が盛んなドイツらしく資本財セクター(シーメンス)の比率が高いのが特徴。また金融(アリアンツ)やIT(SAP)も多く含まれ、輸出に強い産業構造が反映されているようです。全体としては工業系の比重が高いバリュー株志向のETFとなっています。
配当実績
年度 | 配当金(ドル) | 利回り |
2024年 | 1.01 | 2.83% |
2023年 | 1.06 | 2.80% |
2022年 | 1.02 | 2.85% |
2021年 | 0.89 | 2.09% |
2020年 | 0.86 | 2.32% |
2019年 | 1.05 | 2.77% |
2018年 | 0.94 | 2.31% |
2017年 | 0.74 | 1.81% |
2016年 | 0.84 | 2.04% |
2015年 | 0.81 | 1.89% |
平均 | 0.91 | 2.26% |
上記はチャットGPTに出してもらいました。10年平均でみると年間配当利回りは2.26%と比較的に高い実績。また直近では2.8%を越えていましたのでもうもう少しで3%となるため高配当と言える水準になっています。
EWGまとめ

今回はドイツを代表する指数「MSCI ドイツ・インデックス」に連動するETFであるEWGについて解説をしてきました。
まず現状として年初来リターンが約20%となっているところからぜひチェックをしておきたいETFになります。
まず基本情報については下記になります。
【運用会社】
ブラックロック
【銘柄数】
54銘柄
※公式サイトより
【経費率】
0.50%
【直近配当利回り】
2.06%
※10年平均2.26%
また株価は40ドル以下でとてもリーズナブルで購入しやすいのではないでしょうか。またS&P500とトータルリターンの比較をしました。
■年初来比較
S&P500:約-10%
EWG:約+20%
■1年比較
S&P500:約+4%
EWG:約+23%
直近の1年間で見ていくと完全にEWGがアウトパフォームしていました。
この点については理解はしておくといいかと思います。さらにセクター比率を見ていくとドイツらしいと言われる工業系の比重が高いバリュー株志向のETFになっています。
このように現状ではS&P500を明らかにアウトパフォームしているドイツの代表的なインデックスに投資家が可能なEWGは検討価値はあるのではないでしょうか。
実はこの記事を作成した後にロイターが「ドイツ、25年はゼロ成長と予測 米関税による混乱が影響へ」と報じていました。その点は分かったうえで検討ができるといいかと思いましたのでこの点もあわせてお伝えをしておきます。
今回の内容も読んで下さったみなさんの投資に役立てたら幸いです。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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