2024年1月30日〜31日で行われた米国のFOMCではFFレート(政策金利)は5.25〜5.50%に据え置きとなりました。また2月1日のロイターを確認するとパウエル議長はFOMC後の記者会見でインフレとの闘いは終わっていないとして勝利宣言せず、経済のソフトランディング(軟着陸)を達成したと断言することや3月の利下げを約束することは控えたと報じています。
そしてFRBは声明で「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信がさらに強まるまで、誘導目標レンジの引き下げが適切になるとは予想していない」とのことから投資家はタカ派に捉えて3月の利下げ期待が薄まってきています。
そんな中で広瀬隆雄さんが2月1日インヴァスト証券のサイトで最新記事「アメリカのマーケット展望【2024年2月度】」を出しましたのでその内容をシェアしたいと思います。順番も多少変えながらロイターなどの記事を抜粋してより内容を深堀りしてまとめてあります。
ということで今回は「広瀬隆雄さんのアメリカのマーケット展望【2024年2月度】」についてです。
【この記事をみて分かること】
・米国経済の現況について
・FOMCの考え
・短期の相場見通し
・企業業績
・2024年2月の注目ETF
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米国経済の現況について
まず広瀬氏は米国経済は底堅く推移していて、2023年第4四半期のGDP成長率は年率換算+3.3%、その前の第3四半期は+4.9%ということで、成長は加速している印象があると述べています。また1月31日のFOMCでも地方連銀からの地元コミュニティへの聞き取り調査で足元の景気は加速しているという感触が報告されたそうです。
ちなみに2024年1月25日にBloombergが「米GDP、10-12月は年率3.3%増-23年は2.5%増と予想外の強さ」と報じていました。2023年10〜12月(第4四半期)の米実質国内総生産(GDP)速報値は予想を上回る伸びを示していて、インフレの落ち着きを受け、個人消費が堅調を維持。23年通年はリセッション(景気後退)を予想する声が多かったものの、予想外の強さを示したとのこと。
米金融当局が重視するインフレ指標である食品とエネルギーを除いたPCEコア価格指数の伸びは2四半期連続で当局の目標である2%に一致していて、利上げが家計と企業に負担になっているにもかかわらず持続的な雇用増加とインフレ率の低下によって個人消費は力強さを維持したとしていました。
さらにBloombergではFHNファイナンシャルのチーフエコノミスト、クリス・ロウ氏はリポートで、「経済成長が堅調であっても緩和は理にかなうが、やみくもな利下げはそうではないとFOMCは既に説明している。この日のGDP統計は2023年のデータだが、FOMCの慎重なアプローチにつながる論理を補強するものだ」と指摘したとしています。
では次章ではFOMCの考えについて広瀬氏のご意見を解説していきますね。
FOMCの考え
1月31日に行われた連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見では、米国の労働生産性の向上に関して「ひょっとしたらAIが長期に渡るサステイナブルな貢献をしているかも?」という言及がありました。その意見を受けて現在のように物価が沈静化してきているにもかかわらず景気はきわめてしっかりしている背景には、どうやら労働生産性の向上が関与しているかもしれないと広瀬氏は言及。
この問題は半年や1年で結論が出ることではなく、数年に渡る観察が必要です。しかし前回米国経済がソフトランディングした1995年から2000年のインターネット・ブームの際にも労働生産性の向上が経済運営をやりやすくしたという事例があることから、今回もそうなるかも知れないと予測を述べていました。
この点について2024年2月1日にロイターが「米FRB、金利据え置き インフレ低下「確信」まで利下げせず」と報じていて、その中でパウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で「インフレはまだ高すぎる。押し下げに向けた継続的な進展は保証されていない」と述べたが、経済成長は堅調で失業率は労働市場の強さを示していると述べたとのこと。
またパウエル氏はインフレ率が少なくとも年ベースでFRBが依然として高いと見なす水準から低下し続けるという確信が強まれば、利下げすることになるとの認識を示したとしていました。その内容から3月利下げの可能性がほぼ排除されたことを受け、市場は5月に利下げが開始されるとの見方を織り込んだとしています。
実際に市場参加者の予想(2023年2月4日現在)を確認しておくと3月は据え置きになる予想が62.0%まで引き上がりました。また5月は0.25%の引き下げの予想が59.6%となってきました。年始の予想からだいぶ後退していることが分かります。
この点は今後も継続して確認をしていこうと思います。ではこのような経済状況を考慮したうえでの広瀬氏の短期見通しを次章で解説していきますね。
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短期の相場見通し
【株価(2024年2月4日現在)】
4,958.61ドル
上記の背景を踏まえてですが広瀬氏はS&P500指数の向こう1ヶ月のターゲットは4900(赤線ライン付近)とされていました。現状からみると少しですが下げを予想されていましたね。
また広瀬氏は1月のS&P500指数は去年の年末に比べて+1.59%でした。ウォール街では「1月の相場は1年の相場を暗示している」ということが言われますのでその意味では1月相場が高かったことは今年の相場に対して少し安心できる展開だと言及されています。
実際にこの1月アノマリー(経験則)はSBI証券によると1998年~2023年では1月がプラスの年は12回で平均の年間リターンは+12.0%となっていました。あくまでアノマリーではなりますが短期だけでなくて年間を通しても期待ができる年になると考えられるのではないでしょうか。
この点は個人投資家にはとても心強いデータですよね。ではこのような予想をされている中で決算についても言及をされていましたので次章で解説していきますね。
企業業績
上記のGDPパフォーマンスとはウラハラに、現在佳境を迎えている2023年第4四半期決算発表シーズンは波乱含みでスタートしていると述べています。これまでに発表された決算では一株当たり利益(EPS)面でも、売上高面でも事前予想を上回る企業の割合は例年より低くなっていると仰っています。
実際に2024年2月2日のFactSetのレポートをみておくと第1四半期のボトムアップEPS予想(指数に含まれる全企業の第1四半期のEPS予想中央値を集計したもの)は、前年同期比1.0%の減少となったとなっていて、12月31日から1月31日にかけて1.4%減少(56.34ドルから55.55ドルへ)とのことでした。
【四半期初月ボトムアップ予想EPSの平均下落率】
過去5年間 (20四半期):2.1%
過去10年間(40四半期):1.8%
過去15年間(60四半期):1.9%
過去20年間(80四半期):1.8%
ではこのような決算状況を踏まえて広瀬氏が注目しているETFを次章で紹介しておきますね。
2024年2月の注目ETF
1月相場を無事に乗り切ることが出来たので、ここからはマーケットに対しもうすこし強気で臨むべきだと考えていて下記のETFをロングしたいと仰っています。
■SPDR S&P500 ETF(SPY)
【株価(2024年2月4日現在)】
494.350ドル
【トータルリターン】
3ヶ月:+15.23%
1年:+20.43%
3年:+10.65%
5年:+14.71%
■パワーシェアーズQQQ信託シリーズ1(QQQ)
【株価(2024年2月4日現在)】
429.01ドル
【トータルリターン】
3ヶ月:+18.34%
1年:+38.57%
3年:+10.09%
5年:+21.51%
ちなみにQQQの詳細はこちらの記事でまとめましたのであわせて読んでみて下さいね。
■Direxionデイリー米国金融株ブル3倍ETF(FAS)
【株価(2024年2月4日現在)】
90.50ドル
【トータルリターン】
3ヶ月:+55.92%
1年:+3.94%
3年:+14.04%
5年:+10.31%
■iシェアーズ・ラッセル2000 ETF(IWM)
【株価(2024年2月4日現在)】
194.410ドル
【トータルリターン】
3ヶ月:+14.87%
1年:-0.50%
3年:-1.83%
5年:+6.84%
ちなみにIWMの詳細はこちらの記事でまとめましたのであわせて読んでみて下さいね。
■ARKイノベーションETF(ARKK)
【株価(2024年2月4日現在)】
46.66ドル
【トータルリターン】
3ヶ月:+21.89%
1年:+5.07%
3年:-31.58%
5年:+2.17%
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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