2023年8月に入ってから中国政府が日本への団体旅行の解禁を外務省に伝えたとニュースになっていますよね。少し前には「爆買い」が流行語になるほど日本経済への影響があったことも事実です。
ではその中国の経済および株式市場がどのようになっているかを知っておくことも必要かと思います。この点について経済アナリストの馬渕真理子さんがご自身のユーチューブチャンネルで説明されていましたのでその内容を主にシェアさせていただきます。
ということで今回は「中国市場の見通しとVWO(新興国株ETF)への影響」についてです。
【この記事をみて分かること】
・中国の経済指数
・中国の政策金利
・不動産セクターの現状
・株式市場の現状
・新興国ETFのVWOへの影響
米国は調整局面入りと予想され、中国も停滞がささやかれています。
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それではまずは中国の経済指数について解説してきますね。
経済指数
まず最初に株式市場をみるうえで重要となる7月に発表された経済指数について動画内容から解説していきます。
■CPI(消費者物価指数)
予想+0.3% 結果0%
この点についてはデフレの懸念であると馬渕氏は仰っています。
世界的にインフレであり例えば日本に関しては3%となっている中で中国は0%となっていることから分かるように今後も中国が経済成長がしにくくなることが予想されるというわけです。中国は経済大国ではあるが新興国と言われる経済成長を期待されている中ですので市場参加者から懸念が出やすいということは理解できるのではないでしょうか。
■PPI(生産者物価指数)
予想-5.0% 結果-5.4%
予想よりもマイナスの結果になりました。ちなみにPPIは企業間のやり取りになりますのでこの数値からも経済の減速が加速してきていることが理解できますよね。
■実質GDP
予想+7.1% 結果+6.3%
これを受けて7月にJPモルガンチェース・モルガンスタンレー・シティグループが中国の経済成長率自体の見通しを5%に下方修正してきたとのこと。世界中も中国の景気原則を見通してきているのが分かります。
■小売売上高(前年比)
前年+12% 予想+3.3% 結果+3.1%
この点では予想と結果もそうなのですが前年比でみると12%から3%となっているのでかなりの差が出てきていることが分かります。
■PMI(製造業購買担当者景気指数)
予想49.2 結果49.3
ちなみにPMIは景況拡大・悪化の分かれ目が50とされています。現状では50を下回っていますので拡大ではなくて悪化に寄っていることが理解できますよね。
また動画が公開された時点では発表されていませんでしたのでこの点についてはロイターの2023年7月31日の記事から数値を抜粋しています。またロイターは4カ月連続で50を割れているため刺激策の必要性高まると報じていました。
このように7月の発表から中国経済が減速していることが分かるのではないでしょうか。では次章では中国の政策金利についてになります。
政策金利について
直近6月20日に利下げをしたのですがこの点については補足でロイターの記事を抜粋して解説します。
人民銀行は2023年6月20日に事実上の政策金利「ローンプライムレート(最優遇貸出金利、LPR)」の1年物と住宅ローン金利の目安となる5年物をともにそれぞれ10ベーシスポイント(bp)引き下げました。
銀行に貸出金利を下げる余地を生み出させるには、銀行にとって主な資金調達手段となる預金金利の引き下げを政府が容認しなければならず足元では銀行収益力の重要な指標となる貸出金利と預金金利の差である純利ざやが過去最低の水準になっていると報じています。
また今年第1四半期の純利ざやは1.74%で、昨年末の1.91%から急速に縮小したとのこと。さらにエコノミストは年後半に追加で10bpの利下げと、預金準備率の25bp引き下げがあると予想している
つまりは中国では金融について懸念が出はじめていることが分かりますよね。
比較してアメリカについてはFFレート(政策金利)を引き上げている中ですので株式市場の上昇要因のためにいつ利下げするかが議論になっているかと思います。ですが中国については利下げをしなくてはいけないほど経済状況が悪化していると捉えられていて株式市場がそれを織り込むので軟調になってきいるということになります。
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不動産セクターの現状
中国はコロナ以前には共産党が積極的に経済対策を行って成長を支えてきていました。その中の柱が不動産への投資。不動産投資から得られる利益を再分配しマンション建築が増えてさらに企業の設備投資が増えることで雇用も増えて経済循環が加速していきました。
ですがパンデミックによりその循環が減速してきたことで不動産だけではなく地方政府の財政状況の悪化から現状で大きな経済対策を打てるかという点についてはかなり厳しくなってきたと馬渕氏は仰っています。
つまりは今までのメカニズムでは経済を引き上げられないところまできているということですよね。
ちなみに少し前になりますが2021年11月ごろに中国恒大集団がデフォルト(債務不履行)に陥るとのニュースが報じられていたかと思います。実際に恒大集団の株式は22年3月21日以降売買停止となっていました。
また同じく不動産デベロッパーのトップである「アジア一裕福な女性」と言われていた楊恵妍氏もニュースになっています。
2023年8月11日にロイターの記事で楊恵妍氏が会長を務める碧桂園は今週、6日が期日だったドル建て債2本の利払い(総額2250万ドル)を履行できなかったと表明。10日には、粗利の低下や在庫の減損処理増加を理由に、上半期が最大550億元(76億ドル)の赤字になるとの見通しを示したと。。
さらに記事では中国不動産不安が碧桂園を震源に再燃していて金融市場に波及との見方もと報じています。上記で解説してきたように経済状況の悪化から株式市場にも影響があると言われていますので直近の株式市場の現状もみていこうと思います。
中国株式市場
2023年2月上旬にゴールデンクロスを完成していました。ですが3月に入ってからすぐに50日移動平均線を下回り5月下旬には200日移動平均線が下値支持線で耐えていた状況。8月11日現在では200日移動平均線を下回ってきています。
馬渕氏も仰っていましたがあまり良くないですよね。またGoogleFinanceで8月13日時点のS&P500(アメリカ指数)と日経平均(日本指数)を比較してみておきます。
①上海総合(ブルー)
②S&P500(イエロー)
③日経平均(ライトブルー)
【年初来比較】
年初来でみると上海総合のみマイナスリターンになっていますよね。またS&P500より日経平均のリターンが際立っているのも分かります。これが直近での株価になります。
【1年比較】
直近1年でみた場合も上海総合のみマイナス成長となりました。また年初来同様で日経平均がS&P500をアウトパフォームしていました。現状での日経平均の強さがより理解できる比較となりますよね。
【5年比較】
最後に5年での比較もしておきましたが2010年代での米国株ブームの影響からかS&P500が際立ってアウトパフォームしていました。また過去5年でみても上海総合が一番悪い結果だったことが分かります。
つまり全ての時期においてアメリカ・日本と比べて軟調な状況です。また年初来および過去1年で中国はマイナスの時期になっていました。株式市場で中国の勢いが落ちてきているのが分かりますよね。
この点については中国市場の投資マネーが日本市場へ流れているとも言われています。日経平均の好調ぶりからも日本株への投資検討材料になるのではないでしょうか。
では最後に念のため中国の比率が高い新興国ETFのVWOの状況も確認しておこうと思います。
新興国ETF VWOへの影響は
VWO(バンガードFTSEエマージング・マーケッツETF)は は米国籍のETFでFTSEエマージング・マーケッツ・インデックスに連動する投資成果を目指しています。ブラジル、ロシア、インド、台湾、中国、南アフリカなど、世界中の新興国市場で大型・中型株を保有しているETFです。
保有国の比率
VWOの中国を保有する割合は全体の33.10%となりますので中国の保有比率のウェイトが大きいのが分かりますよね。では直近のチャートはどうなっているのかをみておこうと思います。
VWOのチャート
2023年2月にゴールデンクロスを完成してから3月中旬まで大きく下がっていてその後は上下しながら7月末までに前回の高値43ドル付近まで上昇。ですが8月に入って約2週間の間に前回の底値39.85ドル付近まで暴落していて現在は200日移動平均線までようやく戻していました。
実際にロイターが2023年8月16日の記事でゴールドマンによるとヘッジファンドは8月14日までの10営業日のうち8営業日で中国株を売り越しており、顧客は長期と短期双方のポジションを解消していると。また10営業日中の売り越し日数としては2022年10月以来で最長となったたとのこと。
過去5年間で見てもその長さは際立っていて共産党中央政治局の7月24日の会合後の5営業日に、ヘッジファンドは刺激策への期待感から取得した中国株のうち70%を売った、とゴールドマンは推計していると報じています。
このように8月に大きく報じられた中国不動産セクターのニュースが影響されているのことが理解できますよね。中国の保有比率が約30%強と高くなるVWOはチャートをみても8月から下がっている点から現在の買い増しや新規購入についてはよく吟味されたほうがいいのではないでしょうか。
特にホルダーの皆様については株価推移をしっかりとウォッチしておいていただけるといいのかと思います。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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