2022年には急激に政策金利が上昇しました。
実際にこの記事を作成している5月23日時点では5%まで引き上がっています。
また足元のインフレ指標は落ちてきていますがそれでもまだ底堅さを見せているといった印象です。
そのため6月のFOMCでは利上げがまだあるのかもしくは利下げ停止になるのかが連日ニュースになっていますよね。
実際には6月のFOMCでは金利は据え置きとなりました。
このようにようやく政策金利の利上げ出口が見えはじめてきた時期にチェックをしておきたいのが超長期米国債のETFです。
ざっくりとですが高金利時には債券価格が下がるため将来のリターンが見込めます。
ということで今回は「高金利時にチェックしておきたいバンガード・超長期米国債ETFのEDV」についてです。
たぱぞうさんも紹介していましたのでその内容も入れながら今回はシェアできたらと思います。
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それではEDVの解説になりますが確認しておくのに重要な時期なのでぜひ最後まで読んでみて下さい。
政策金利の現況
EDVの解説の前に冒頭でも言いましたが2022年からFFレート(政策金利)が急激に上昇しました。
ちなみに上記の画像は過去10年間のFFレートの推移になります。
2016年から2019年の約3年間をかけて2.5%まで上がりましたが今回はその倍の5%までを約1年で引き上げを行いました。
チャートでみるとかなり急激だったんことが分かりますよね。
ちなみに今回の理由はインフレを抑え込むために金利を上げてきていました。
ですので直近の5月に発表されたインフレを図る雇用統計の結果をみておきますね。
【非農業部門雇用者数】
予想:18万人
結果:25.3万人
【失業率】
予想:3.6%
結果:3.4%
【平均時給】
4月の平均時給は+16¢
この結果を受けて「今後は経済指標を見ながら判断していく」というスタンスをFRBは取っています。
そのため今回のFOMCは特別タカ派でもハト派でもない中間スタンスが強調されていました。
というように今回の雇用統計は緩和に転じるにはまだ時期尚早であるという内容でした。
またFedWatchツールで市場参加者の予想をみると11月からの利下げを織り込んでいます。
このようにFRBおよび市場参加者双方の情報からみて利上げは出口だが利下げはまだと読み取れます。
そしてこの金利が高い位置にある時期にチェックをしておきたいのが超長期米国債ETFになります。
ではここからチェックをしておきたい理由と実際にETFについてを解説していこうと思います。
バンガード・超長期米国債ETF【EDV】とは
EDVは「ブルームバーグ米国財務省STRIPS20~30年均等債券インデックスのパフォーマンスを追跡することを目的としている米国ETF。
またこのインデックスは残存期間が20~30年の米国財務省証券ストリップス債のパフォーマンスを測定する指数になります。
上記バンガード社の正式サイトによるとEDVは残存期間20年以上の米国債のみ(100%)で運用されていることが分かります。
ちなみにこのストリップス債という言葉は聞き慣れないかもしれません。
たぱぞうさんの説明を抜粋させて頂きます。
ストリップス債は“STRIPS = Separate Trading of Registered Interest and Principal of Securities”の略称。
利付債の元本部分とクーポン(利息)部分が分離されていてそれぞれの部分がゼロクーポンの割引債として販売される債券を指します。
利付債は通常だと元本部分とクーポン部分で構成されますが元本部分をこの利付債の償還日を満期とする割引債で各クーポン部分をその支払期日が満期の割引債として販売するものになります。
ストリップス債は利息が貰えない代わりに額面金額より低い価格で発行される債券で長期になればなるほど低い価格となります。
まずはざっくりとですが残存期間が20年以上の100%米国債で構成されているETFでストリップ債は利息がもらえないが割引して購入している債券のため価格も下がると分かりました。
では念のために基本情報もみておこうと思います。
基本情報
ティッカー | EDV |
名称 | バンガード・超長期米国債ETF |
運用会社 | バンガード社 |
ベンチマーク | ブルームバーグ米国財務省 STRIPS20~30年均等債券インデックス |
銘柄数 | 約80の米国債券 |
投資対象 | ブルームバーグ・米国債STRIPS(20-30年)均等額面 インデックス(I17493)と同等の投資成果を目指す。 |
経費率 | 0.06% |
配当月 | 年4回(3月・6月・9月・12月) |
設定日 | 2007年12月10日 |
なんといってもさすがバンガードですが経費率が0.06%ととても低いですよね。
またブルームバーグで直近配当利回りみてみると3.21%とかなり高配当であることが分かります。
配当も年4回(3・6・9・12月)あるのでインカムを得られてキャピタルもそれなりに狙える安定したETFといった印象です。
ちなみにたぱぞうさんが言っていましたが純資産は20億ドル強ぐらいとのことで日本円にして約2600億円です。
米国ETFとしては決して規模が大きくないと仰っています。
ですが1日当たりの売買高は20万口~40万口程度あるとのことなので流動性の問題は特に気にしなくていいとのことでした。
ここまででだいぶ特徴はみえてきたのではないでしょうか。
それでは次章では念のため運用会社について簡単にですが説明をしておこうと思います。
運用会社
運用会社はバンガードです。
創業者はジャック・ボーグル氏で「インデックス・ファンドの父」とも呼ばれるほど歴史も知名度もある会社です。
1975年にアメリカのペンシルバニア州で創業され、2018年12月31日には世界に18カ所の拠点で約549兆円(約4.9兆米ドル)の資産を運用している世界最大級の運用会社になりますね。
またバンガードの最大の特徴としては経費率の低さがあります。
【バンガードシリーズの経費率】
①VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
⇒経費率:0.09%
②VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)
⇒経費率:0.06%
③VIG(バンガード・米国増配株式ETF)
⇒経費率:0.06%
一般的にETFの経費率の平均が約0.2〜0.4%と言われています。
上記ETFと比較すると分かるようにEDVも経費率がかなり低いことが分かりますよね。
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ぜひ活用してみて下さいね。
では次章では株価についてみていこうと思います。
株価について
上記は過去1年の株価チャートになります。
2022年は金利を上げていましたので株価がズルズルと下がっています。
実際に10月には直近の底値になる74ドル台になっています。
そこからですが83~93ドル付近を上下してますね。
また気になる点として最近ゴールデンクロスを形成していました。
今後が期待できる展開ではないでしょうか。
またS&P500との比較も過去5年でみておこうと思います。
※EDV(ブルー) S&P500(ピンク)
2020年3月あたりからのコロナショック時を比較するとS&P500が暴落している中でEDVは上がっていました。
さらに金利が急激に上がっていた2022年はEDVは暴落しています。
EDVは〇〇ショックなど暴落時のリスクヘッジとしてポートフォリオに入れておくことは検討しやすいですよね。
さらに利上げがひと段落したこの時期が底値の可能性があることは大いにご理解頂けたのではないでしょうか。
では次章で配当の過去実績もみておこうと思います。
配当実績
年度 | 平均利回り | 年累計 | 年伸び率 |
2022 | 2.61% | 2.7 | -0.70% |
2021 | 1.99% | 2.72 | -67.70% |
2020 | 5.24% | 8.42 | 85.90% |
2019 | 3.57% | 4.53 | 38.10% |
2018 | 2.95% | 3.28 | -6.80% |
2017 | 3.04% | 3.52 | -39.30% |
2016 | 4.53% | 5.8 | 21.60% |
2015 | 3.97% | 4.77 | 24.20% |
2014 | 3.63% | 3.84 | -13.50% |
2013 | 4.33% | 4.44 | -49.10% |
2012 | 7.14% | 8.72 | 40.20% |
2011 | 6.55% | 6.22 | 62% |
2010 | 4.45% | 3.84 | -74.70% |
2010 | 4.45% | 3.84 | -74.70% |
2009 | 14.54% | 15.15 | 298.70% |
2008 | 3.72% | 3.8 | ー |
平均 | 4.79% | 5.35 | 16.28% |
配当の実績をみていくと平均は5.35ドルですが年度ごとに浮き沈みが激しい印象です。
通常は配当はある程度年間の額が計画できるのですがEDVに関しては読めないのが懸念としてありますね。
平均である程度みるしかないかなと思います。
配当を狙うのではなくてあくまでリスクヘッジでの購入検討のほうが納得してホールドできるのではないでしょうか。
デュレーションについて
最後にですがデュレーションについても理解をしておくとよりEDVのことが分かるので解説をしておきますね。
この点についてはたぱぞうさんも言及されていました。
債券投資でよく使われる言葉で英語表記はDurationです。
ざっくりでいうと債券を保有することによって利子および元本(=キャッシュフロー)を受け取ることのできるまでの期間を加重平均したもの。
債券は満期時には額面金額で償還されますが途中期間は金利の動きにより債券価格は変動しています。
ですので債券投資の平均回収期間を示していると理解してみて下さい。
クーポンや最終利回りが高くなるほどデュレーションは小さくなります。
つまり債券投資の回収までの期間が早くなるということです。
またデュレーションは債券投資の平均回収期間を示す以外に金利への感応度という性格もあります。
金利がある一定の割合で変動した場合に債券価格がどの程度変化するかを示すものです。
ここが重要ですがデュレーションが大きいほど金利の変化に対する価格の変化が大きいということになります。
ちなみにEDVのデュレーションは24.6年。
債券ETFとしてポピュラーなバンガード・米国トータル債券市場ETFのBNDは6.2年です。
その点を考慮すると金利が下がる局面になった場合にはEDVの方が価格の上昇が大きくなると理解できます。
冒頭でもお伝えしましたが現在は政策金利も5.00~5.24%まで引きあがっていますのでインフレ次第では利下げ余地が十分にあります。
その点を考慮すると現在が検討するいい時期になるのではないでしょうか。
高金利時に検討したい暴落リスクヘッジのETF
本日はバンガード・超長期米国債ETFのEDVについて解説してきました。
まずは2022年より政策金利を急激に引き上げて現在は5~5.25%となっています。
またインフレの落ち着き次第ですがFRBは利下げをするかもといった利上げ出口にいる状況です。
さらに利下げ前に検討がおもしろいとたぱぞうさんも言っていました。
また実際にS&P500と株価を比較してみてみましたが暴落時(〇〇ショック)などの際にS&P500が暴落しているのに対してEDVは落ちていませんでした。
そのためポートフォリオに入れることでリスクヘッジができます。
ですのであくまでフルベットではなくて一部でというイメージがいいかと。
さらに利上げの出口にいる現状を考えてデュレーションが24.6年と高めになるEDVは現在がまさに検討する時期になるのではないでしょうか。
ぜひこの機会にご検討してみて下さい。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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