2022年は円安がものすごいペースで10月のピーク時で150円台まで進みました。
ちなみに136円台まで進んだのは約24年ぶりでした。
また為替介入も入れたりドル円のニュースが絶えなかったほどインパクトがありましたよね。
現在は昨年の6月と同様の130円台前半に戻りましたが今度は円高に大きく振れる可能性もない訳ではありません。
このようにドルに対して円の価値が大きく乖離すると米国株への投資にはどのような影響があるのかをリベ大の動画で学びました。
動画は円安を基本にしたものでしたが今後は逆のケースになる可能性もあるのでこの記事では円高時を想定してどんな投資がいいのかを解説していこうと思います。
ということで今回は「株式と為替の関係を理解して円高に備えておこう」という内容です。
この記事を読んで為替についての理解を深めることでぜひ投資に役立ててみて下さい。
まずは株式投資と為替の関係について解説していきますね。
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株式投資と為替の関係について
上記の枠で囲った棒グラフですが2007年1月~2022年12月31日までの米国株式、日本株式におけるリスクの大きさを表したものになります。
【黒と青の棒グラフが表すもの】
黒:為替リスクをそのまま受け入れた場合のリスクの大きさ
青:為替リスクを排除した場合のリスクの大きさ
分かりづらいかと思うので解説していきますね。
まずは米国の黒の棒グラフ(20%)については下記のようになります。
為替リスクをそのまま受け入れて、米国株式に投資した場合のリスクの大きさです。
【リスク20%の考え方】
株価がマイナス20% ~ プラス20%のレンジで値動きする確率…約68%
株価がマイナス40% ~ プラス40%のレンジで値動きする確率…約95%
1年間に±40%も上下する可能性があることが分かります。
株式がハイリスクと言われる理由も納得できるのではないでしょうか。
また確率68%・95%は覚えておくとリスクが〇%という数字を見た時に値動きの幅を計算できまるようになりますよね。
では次は青の棒グラフ(16%)の場合もみていきます。
青の棒グラフは為替リスクを排除したものでリスクの大きさは16%となっています。
【リスク16%の考え方】
株価がマイナス16% ~ プラス16%のレンジで値動きする確率…約68%
株価がマイナス38% ~ プラス38%のレンジで値動きする確率…約95%
為替リスクをそのまま受け入れた黒の棒グラフよりもリスクが小さくなっています。
上記のような為替リスクをとりたくない場合はお金を払って回避をすることはできます。
それが為替ヘッジです。
ちなみにヘッジコストとは保険料のようなものが掛かります。
先程紹介した数字で言うと「保険料を払わずに20%のリスクをとるか保険料を支払って16%のリスクをとるか」となります。
では日本株の場合もみておこうと思います。
黒と青グラフともに18%となります。
これは日本株には為替がないため同じ数字になるとのこと。
分かりやすいですよね。
このように為替とは株式投資のリスクを高めます。
ここではそのことを理解しておくことが大事だと感じました。
さらにリベ大では「ヘッジコストを払うべきかどうか」を説明されていました。
この点も大切なので次の章で解説していきますね。
ヘッジコストは支払うべきか
前章では株式投資と為替の関係から為替リスクについて解説してきました。
為替リスクを減らすためには保険料を支払うことも可能だと理解はできたのではないでしょうか。
ここで疑問になるのはその保険料を「支払うべきかどうか?」。
この章ではその点を解説していきますね。
まずこの回答についてリベ大の回答は出ていました。
S&P500に連動するファンド・全世界株ファンドへの投資については為替リスクはそのまま受け入れたほうが良いという見解です。
上記は為替リスクは受け入れたほうがいいという根拠となるデータになります。
【グラフの補足】
青色のグラフ=為替ヘッジ無し
オレンジ色のグラフ=為替ヘッジ有り
1990年6月末を100として為替ヘッジ有りでは30年後に約250と約2.5倍に増加しています。
一方で為替ヘッジ無しは30年後に約700と7倍に増加しています。
その差が450でているのですがこれはコストの差だと仰っています。
また過去30年間のリターンを分解した数値もみていきますね。
為替ヘッジがない左側は為替要因の損失はマイナス29%。
一方で為替ヘッジがある右側では損失がマイナス144%でした。
コストは複利でマイナスが効いてしまうため大きくなっているんですね。
長期投資では売買益も複利で増えますがそれと同じくらい重要でコストも複利がききます。
この点には気をつけましょう。
ちなみにリベ大が注意すべきと言っていたコストの例もあわせてお伝えしておきます。
【投資におけるコスト】
・ファンド売買時の手数料
・信託報酬
・税金
・ヘッジコスト
このようなコストはできるだけ払わないようにするのが投資の鉄則です。
そのためにも税金という観点ではNISAやiDeCoなどの非課税制度を積極的に活用すべきだと言っています。
ぜひ活用していきましょう。
またこのヘッジコストへの考え方について注意点もありましたので次章で解説します。
ヘッジコストを考える際の注意点
注意点というよりは勘違いがないようにリベ大では説明されているのだと解釈しています。
内容としてはあらためて先程みたグラフを確認します。
為替リスクをヘッジしたオレンジ色の方が値動きが小さくなっているので心穏やかに投資できるのではないでしょうか。
そしてここがポイントですが投資スタイルも人それぞれだと仰っています。
長期の目線でみるとデメリットが多いように思われる為替ヘッジコストですが短期の目線では有効なコストになりうるかもしれません。
リベ大で伝えられているのは為替リスクをとれるだけのリスク許容度があって投資スタイルが長期・国際分散投資ならばそのまま為替リスクを受け入れた方が良いという点です。
あらためてですがあくまで投資スタイルはそれぞれですのでこのような情報をもとにご自身でどう投資をしていくかが大切になります。
この点は理解しておくといいのかなと感じました。
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あわせて読んでみて下さいね。
では次章では為替と投資額の関係性をどう考えるといいかについて解説していきますね。
円安で投資額を減らして円高で増やすべきか
【前提条件】
・15年以上で行う長期投資
・リスク許容度の範囲で行う投資
・分散された低コストのインデックスファンド投資
解説の前に投資の前提条件についてです。
上記のような積立式インデックス投資は資産形成のコアになり個人的には必須くらいに考えていて条件として多くの方がイメージしやすいのでは思います。
そして為替によって投資額を増減させることについてリベ大では投資額を減らさないほうがいいと言っていました。
ちなみに理由としては上昇を取りこぼさないためです。
この点はとても同感ですね。
また日経平均株価データを使ってより詳しく解説していました。
具体的には1949年5月16日~1949年12月末までを最初の1年とカウントします。
そのうえで2016年末までの日経平均株価68年間の年次リターン平均は10.5%だったそうです。
ですがこのうち全体の20%に過ぎない上昇率の高かった14年の利益を除くと実は68年間での利益はゼロになるということでした。
これだけ額を減らしてしまったり投資自体を止める時期があると大きな上昇があった際に資産の最大化がしづらくなると理解できますよね。
ゆえに長期投資のするうえで注意すべき点として「目先の下げではなくて上昇を取り逃すこと」になります。
またS&P500でも同様のデータがあるので解説していきます。
ちなみに下の画像は「敗者のゲーム」で紹介されているグラフになります。
上記の画像の内容をまとめてみますね。
【1980年~2016年までの投資利回り】
・フルに投資をする:年利11.4%
・ベスト10日を逃す:年利9.2%
・ベスト20日を逃す:年利7.7%
・ベスト30日を逃す:年利6.4%
例えばベスト30日を逃すとフルで投資をした場合を比べてリターンは約半分になってしまいます。
ちなみに著者のチャールズ・エリス氏は下記のように言っています。
この教訓は明らかだ。投資家は”稲妻が輝く瞬間”に市場に居なければならない。
チャールズ・エリス氏
こういった点からも短期的にみると為替は大きなリスクです。
ですが長期的にみていくと株式市場は上下を繰り返して大きく成長していくと考えることができますよね。
円高時の投資スタンス
ということで今回は株式投資と為替の関係性を解説しました。
また投資の前提としては毎月積立などのインデックス投資になります。
【株式投資と為替の関係性】
為替は株式投資のリスクを高める
→ 値動きが大きくなる可能性がある
長期で見ると為替リスクはそのまま受け入れた方が良い
→ 為替ヘッジのコストがリターンを大きく毀損する可能性がある
上記から理解できるのは短期的にみた場合に為替は株式投資にリスクを大きくするものになる点です。ですが前提にもあるように長期的に資産を最大化をしていく場合にはヘッジコストよりも為替リスクを受け入れたほうが大きくアウトパフォームできるということ。
また具体的に過去30年のMSCIコクサイ・インデックス指数をみると下記の実績が分かりました。
・為替ヘッジあり ⇒ 約2.5倍
・為替ヘッジなし ⇒ 約7倍
ここまで大きな違いが出ることは覚えておきたいなと感じました。
さらに投資額を円安時には減らして円高時は増やすべきかについてでした。
また考える場合の前提は下記になります。
【前提条件】
・15年以上で行う長期投資
・リスク許容度の範囲で行う投資
・分散された低コストのインデックスファンド投資
この点においてはチャールズ・エリス氏の書籍「敗者のゲーム」から金額の増減の必要性を理解できました。
【1980年~2016年までのS&P500の投資利回り】
・フルに投資をする:年利11.4%
・ベスト10日を逃す:年利9.2%
・ベスト20日を逃す:年利7.7%
・ベスト30日を逃す:年利6.4%
ベスト30日を逃した場合はフルで投資をした場合と比べてリターンは半分になるという事実。
このように長期的には毎月コツコツと積立していくことがどれほど理にかなった投資法かもあらためて理解ができますよね。
もちろんですが短期で高リスクな投資をする場合は違います。
ですが私も含めて多くの個人投資家の方が長期的に資産の最大化を目指していると思います。
ちなみに投資の神様ウォーレンバフェットとアマゾン創業者のジェフ・ベゾスの対談でベゾスの「なぜ個人投資家の多くがあなたの真似をしないのか?」という問いにバフェットは「誰も長期的にお金持ちになりたがらないから」と答えたそうです。
これだけ長期的に積み上げていくことが大切であると分かる言葉だと分かりますよね。
今回学べた為替と株式投資の関係とバフェットの言葉からも長期的にじっくりと資産を最大化することがとても安全で再現性があることをあらためて理解ができました。
円高もしくは円安になったからとスタンスを大きく変えずにコツコツと資産を最大化をしていきましょう。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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