1月の第3週目は米国では決算シーズンがはじまりましたね。
またその中で米銀大手6行の決算が出揃いました。
米銀大手の決算内容については個人消費や事業活動の現況が分かると言われていて将来の景気を占ううえでの試金石として注目されています。
実際に日本の個人投資家の多くの方も米国株式市場の将来を気にされているのではないでしょうか。
決算の結果からみえる見通しについてバフェット太郎さんのYouTubeから学んだのでシェアしたいと考えました。
ということで今回は「大手6行の決算から見えてくる米国の現状と株式市場の見通し」についてです。
米国株式市場の現状と今後がより理解できますのでぜひ最後まで読んでみて下さいね。
それではまずは決算の結果から解説していきます。
米銀大手6行の決算
【売上高成長率】
①JPモルガン・チェース(+18%)
②バンクオブアメリカ(+11.1%)
③シティグループ(+5.8%)
④ウェルスファーゴ (−5.7%)
⑤モルガンスタンレー(−12.2%)
⑥ゴールドマンサックス(−16%)
上記の結果について明暗を大きく分けたのは主体業務によるものでした。
ちなみに①〜④が融資など商業銀行業務主体であるのに対して⑤〜⑥M&Aなどの投資銀行業務が主体。
このような違いから成長率が違う結果になるというのが背景になったとのこと。
さらにFRBが1年も満たずに政策金利を+4.25%まで引き上げたことにより貸出金利が急上昇して利ザヤが急拡大したんです。
結果として①〜④は純金利収入が急速に伸びた背景になりました。
あわせて前年同期比をみていくと下記のような結果です。
【前年同期比】
JPモルガン・チェース(+48%)
バンクオブアメリカ(+29%)
シティグループ(+100%)
ウェルスファーゴ(+45%)
好調な個人消費を背景に融資残高が増加。
その背景からクレジットカードの貸し倒れリスク(クレジットカード・ネット・チャージオフ・レシオ)が下記の結果になりました。
JPモルガン・チェース(+1.6%)
バンクオブアメリカ(+1.7%)
さらにバンクオブアメリカの以前の平均が下記です。
パンデミック前 平均3.0%
金融危機時 平均8.3%
金融危機前 平均5.2%
平均からみていくと現在の1.7%家計のバランスシートは極めて健全であることが分かりますよね。
また融資残高が伸びた一方で預金残高は減少しています。
次の章で預金残高の減少の理由について解説していきますね。
預金残高の減少理由について
JPモルガン・チェース( −5.0%)
バンクオブアメリカ(−6.5%)
シティグループ(−0.7%)
ウェルスファーゴ(−6.1%)
なぜこのような減少になったかというと顧客がインフレヘッジのためにMMF(マネーマーケットファンド)などの低リスク運用資金に資金を移しているためとのこと。
また米国のインフレ率は現状で6%を超えている現状。
インフレを考慮する場合は現金をそのまま預金していても実質的な価値が目減りしていることになります。
一方でMMFは現金と同じ安全性で年4%の利回りが見込めるものになりますので預金ではなく資金をMMFに移動させるのは理解ができますよね。
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ちなみにMMFについては上記のバフェット太郎さんのYouTube動画で詳しく解説されていましたのでご興味がある方は視聴してみて下さい。
このように好調で健全な家計のバランスシートを踏まえれば米経済は依然として底堅いと言えますがすでに住宅市場が低迷していくほかハイテクセクターを中心にリストラが相次いでいることを考えると好調な決算はいつまでも続かないと仰っています。
実際に個人向けローンで徐々に焦げ付きが増え始めているため米銀大手が相次いで貸倒引当金を積み増すなどして将来の景気後退に備えはじめているようです。
ただし次に訪れる景気後退は2008年の金融危機のような酷いものになるのではなくて比較的緩やかな景気後退が予想されるとも言っていました。
ですので金融危機やドットコムバブルのような歴史的な暴落を期待して慎重になりすぎると次の強気相場に乗り遅れてしまうリスクも高まると警鐘をならしていました。
そのため将来の景気後退に備えて株式市場から全降りしたりいつまでも投資をはじめないのは良い戦略ではないとも。
では景気後退がくる可能性がある中で回復もしくは高値で推移している銘柄やセクターがあるのかを次の章で解説していきます。
大型バリュー株
【好調セクター】
資本財・素材・エネルギー・生活必需品・ヘルスケア
【低迷セクター】
ハイテク・一般消費財・コミュニケーション
ここからは景気後退が予想される中ですでにいくつかのセクターでは市場最高値圏まで回復している銘柄が増え始めている点を解説していきますね。
【好調セクター】に入っている銘柄は市場最高値圏で推移している銘柄も珍しくないようです。
具体的にセクターと銘柄もあげていらっしゃいました。
まずは好調なセクターと銘柄についてです。
~好調セクター銘柄~
【資本財セクター】
重機メーカー:キャタピラー(CAT)
農機メーカー:ディア(DE)
【素材セクター】
資源株:フリーポート・マクモラン(FCX)
鉄鋼メーカー:ニューコア(NUE)
【エネルギーセクター】
石油メジャー大手:エクソン・モービル(XOM)
石油メジャー大手:シェブロン(CVX)
【生活必需品セクター】
飲料大手:コカ・コーラ(KO)
タバコ大手:フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)
【ヘルスケアセクター】
ヘルスケアセクター代表:ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
製薬大手:メルク(MRK)
名だたる企業ばかりですよね。
やはり大手企業の底力を感じます。
※企業名をクリックするとブルームバーグで株価も確認できます
それでは続いては低迷セクターの銘柄です。
~低迷セクター銘柄~
【ハイテクセクター】
アップル(AAPL)
マイクロソフト(MSFT)
【一般消費財セクター】
アマゾン(AMZN)
テスラ(TSLA)
【コミュニケーションセクター】
アルファベット(GOOGL)
メタ・プラットフォームズ(META)
上記3セクターが軒並み暴落しています。
残念ですが銘柄をみてもGAFAMの没落がよく理解できますよね。
ちなみに資本財やエネルギーセクターの大型株に資金が流入していることを考えるとこれらのセクターの中小型株にもいずれ資金が流入する可能性が高いことを示唆していると仰ってます。
このセクターごとの成長をみてバフェット太郎さんは米国株は1年を通して+20%を超えるリターンが期待できると主張してますがGAFAMの復活を期待ししている訳ではないとも言っています。
このようにPERの上昇からGAFAMなどのハイテク株も幾分かは持ち直すことが期待できるが市場全体を押し上げるのは今までのようにGAFAMのような一握りの銘柄が全体を押し上げる訳ではないと。
ですのでこれからの米国株投資はいかにポートフォリオにオールドエコノミー銘柄を組入れGAFAMのようなハイテク株を組み入れないことが望ましいと仰っていました。
ここまでで低迷セクターを避けて好調なセクターまたはそのセクターの銘柄へ投資が重要になることが理解できたのではないでしょうか。
ちなみに好調セクターの個別銘柄の勉強は「投資の達人になる投資講座 」がおすすめ。
実際にセミナー受講してみたレビュー記事はこちら
あわせて読んでみて下さいね。
ここまででインフレ鈍化が金利を引き下げてそれによりPERが上昇すると理解ができたのではないでしょうか。
ですが「インフレは減速し続けるのか?」という疑問が出てくるのではないでしょうか。
その点については次の章で解説していきますね。
インフレの減速について
まず結論からですがバフェット太郎さんはかなり高い確率でインフレは減速すると仰っています。
例えば上のグラフはCPIの先行指標である12月のPPI(生産者物価指数)の対前年比ですが予想6.8%に対して結果6.2%(前月7.3%)。
これは2020年のパンデミックがはじまって以来の大幅下落になってきているようです。
また小売売上高をみると下記になります。
12月小売売上高(予想-0.8% 結果-1.1%)
12月コア小売売上高(予想-0.4% 結果-1.1%)
このように予想を大きく下回りました。
またあわせて下の図を確認してみて下さい。
このような図式はFRBの狙い通りになっているとのこと。
ですが足元では原油価格が反発していることを考えるとCPIがこのまま急速に低下するかどうかは分からないと仰っています。
具体的には中国当局が「ゼロコロナ政策」を緩和したことで原油需要が拡大するのではとの見方が広がっているためとのことです。
実際にガソリン先物のチャートをみると5月~9月に大きく下がり回復。
また10月~12月にかけて下がりまた反発して1月に入り上がりはじめています。
一方ではCPIのおよそ3割を占める家賃は住宅市場がすでに低迷していることを考えると伸びが減速するのは時間の問題でそれがCPIを押し下げるようになると。
ちなみに住宅市場の動向はCPIに反映するまで約半年ほどかかると言われています。
そのため次の1月CPIは反映されずに足元の原油高を受けてCPIがそれほど低下しない可能性があると仰っていました。
このことからインフレの鈍化は一時的に緩やかになる可能性はあるが個人消費や住宅市場の低迷からインフレが減速し続けるシナリオは変わらないと考えているそうです。
また個人消費と住宅市場の低迷がマルチプルエクシパンション(PERの上昇)につながり今年1年を通して株高が期待できると。
ですが将来の金利見通しについては市場参加者とFRBとの間にギャップがあることを考えると、株式市場は不安定な展開が続く可能性があるとも言っていました。
このように現状はインフレの減速が見えはじめてきていて個人消費は落ち込んでいると分かります。
そのためマルチプル・エクシパンションとなりPERの上昇が期待できるとなりますよね。
ではここで金利についてもみておこうと思います。
金利の見通しについて
ちなみに上の図は市場参加者が予想する将来の金利見通しを表しています。
ここから2月と3月に0.25%の引き上げを行った後に打ち止めと予想されています。
一方でパウエル議長は70年代の高インフレを例にあげて「歴史は早すぎる緩和を戒めている」として「年内の利下げは予想していない」と繰り返し説明をしていますが市場参加者は早ければ9月か11月にも利下げが始まると予想しています。
過去の経験則から市場参加者のほうが政策金利を予想できているというデータもあるそうです。
そのため今回もFRBの予想よりも早く利下げになる可能性もあります。
そしてこの早い段階での利下げはインフレの根絶に失敗する可能性も高まると仰っていました。
一方でもし政策金利を高水準で維持した場合はマーケットの波乱要因になるとも。
いずれにしてもFRBの政策金利の行方は今後の経済データ次第ですので投資家は経済指標や企業の決算を注意深く観察するようにしてアドバイスされていました。
ここまでで今後の見通しが見えてきたのではないでしょうか。
次章ではそれによりS&P500の予想はどうなっていくかを解説します。
S&P500を押し上げる可能性
金利が下がりPERが上昇することまた金利が大筋で2023年には下がるであろうことは理解できたかと思います。
そんな中でS&P500のチャートはどうなってきているかをみてみます。
10月を底にして右肩に上がりはじめて50日移動平均線と2023年1月20日には200日移動平均線も越えてきましたね。
ここからさらに上がっていきそうな予感がするチャートになっていますね。
そしてこれからGAFAMの決算がはじまります。
【決算予定】
【1月24日】マイクロソフト(発表済)
【2月1日】メタ・プラットフォームズ
【2月2日】アップル・アルファベット・アマゾン
決算次第ではありますが内容が悪い場合はS&P500が再び200日移動平均線を割り込む可能性もあります。
特に景気減速からネット広告は大きな打撃を受けていますのでメタ・アルファベットは難しいのではと仰っていました。
ですがバフェット太郎さんは米国株に弱気ではなく引き続きS&P500は1年を通して20%を超えるリターンを予想されていました。
結論はS&P500に継続してコツコツ投資は変わらず
今回はバフェット太郎さんの動画から学べた「大手6行の決算から見えてくる米国の現状と株式市場の見通し」を解説してきました。
決算結果は商業銀行業務主体の4行は順調。
さらに1年足らずの利上げにより貸出金利上昇により利ザヤが急拡大しました。
ちなみにバンクオブアメリカの貸し倒れリスク1.7%という結果からも家計のバランスシートが健全であると分かります。
このように家計は健全な中で住宅市場の低迷やハイテク企業のリストラが増えているので好調な決算は続かないのではないでしょうか。
ですがそんな中で回復しているセクターと銘柄も取り上げていますのでぜひ参考にしてみて下さい。
そして株価を押し上げる要因として12月のPPI(生産者物価指数)や小売売上高の低下からFRBの狙い通りにインフレが鈍化すると考えられますよね。
またガソリン価格の高騰などの問題点はありますがおおむね予想通りに景気を冷え込ませていると予想できます。
このような要因から消費が冷え込み利下げに転じることでPERの上昇が起こりS&P500も引きあがる可能性があると分かりました。
2022年が異例の年であったなら2023年は回復・成長の年になることが期待できるのではないでしょうか。
今年もコツコツと積み上げていくことは継続していきましょう。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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