アライアンス・バーンスタイン株式会社の公式サイト内での記事に「米国株式は常に新興国株式をアウトパフォームする」というのは誤解だという内容を目にしました。
一部の投資家は「MSCI エマージング・マーケット指数(新興国株指数)」が誕生してから米国株式と新興国株式のリターンが年率換算でほぼ同じだと聞くと驚くかもしれないとのこと。
またデータによると2001年から2023年までの年率リターンはS&P500指数が約7.8%に対し、MSCI エマージング・マーケット指数は約7.6%とほぼ同水準で米国を除く先進国市場と比較すると、新興国株式のリターンの方が上回っているとのこと。
また過去10年間にわたる新興国株式市場のリターンは期待外れでしたが2000~2010年には新興国株式はS&P500指数を大幅にアウトパフォームし、2001年以降の長期的なパフォーマンスで、新興国株式はMSCIワールド指数を上回っていました。
このように潜在的にいいパフォーマンスをする可能性がある新興国市場にまとめて投資ができてさらに円で購入可能なETFがあります。
それがiシェアーズ・コア MSCI 新興国株 ETF(1658)です。
ということで今回は「円でトレード可能なiシェアーズ・コア MSCI 新興国株 ETF(1658)」についてです。
【この記事をみて分かること】
1658とは
基本情報
株価について
組入れ銘柄とセクター比率
国別構成比率
配当実績
1658まとめ
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1658とは
正式名称はiシェアーズ・コアMSCI新興国株ETFになります。
MSCIエマージング・マーケッツIMI指数(税引後配当込み、国内投信用、円建て)への連動を目指すETF(上場投資信託)で新興国に上場する大・中・小型株を対象にした指数です。
【3つのポイント】
1.分散投資
新興国の株式に幅広く投資が可能
2. 円での取引ができる
東証に上場していて円建ての外国株のファンドなので日本時間で取引可能
3. 新NISA対象
「成長投資枠」の対象ファンドとして投資ができます。
上記のように米国以外にも幅広く投資を検討しているかつエマージングカントリーと言われる経済水準はまだ低いものの、高い成長性を秘めた国への投資ができるのが特徴。具体的には中国・インド・ブラジル・南アフリカなどのBRICsで有名な国々が主な投資国になっています。
また円での取引ができるため二重課税調整の対象にもなっていました。
このように米国または日本以外で幅広く投資をしたい方向けのETFになります。最近よく聞くオルカンの場合は米国が約6割りですのでより米国以外での投資ができるETFだと考えていただけるといいかと思います。
では1658の特徴がより理解しやすいように新興国にまとめて分散投資が可能なブラックロックが運営するEEM(iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF)と比較しながら解説をしていきますね。
基本情報
ティッカー | 1658 | EEM |
名称 | iシェアーズ・コア MSCI 新興国株 ETF | iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF |
運用会社 | ブラックロック・ジャパン | ブラックロック |
ベンチマーク | MSCIエマージング マーケッツIMI指数 (税引後配当込み、国内投信用、円建て) | MSCI TRエマージング マーケッツ・インデックス |
銘柄数 | 2987 | 1270 |
投資対象 | 指数であるMSCI EM IMI (JST FIXING) Net Return JPY Indexの パフォーマンスに 一致する投資成果を提供 | MSCI TRエマージング・マーケッツ インデックスのパフォーマンス に連動する投資成果を目指す。 主に新興国市場の大型・中型株を 保有して四半期ごとに時価総額方式を 用いて保有銘柄のウエートを 算定・リバランス。 |
経費率 | 0.23% | 0.70% |
配当月 | 年2回 2/8月の各9日 | 年2回 6/12月 |
直近配当利回り (Bloomberg) | 2.92% | 1.35% |
設定日 | 2017年9月28日 | 2003年4月11日 |
【経費率】
1658:0.23%
EEM:0.70%
まず最初に経費率の比較になりますが比較的に海外ETFの方が安い傾向にありますが1658はEEMに比べて低い設定になっていました。検討時にはプラス材料として考えられるのではないでしょうか。
【配当利回り】
1658:2.92%
EEM:1.35%
配当利回りについても1658がかなり高くなっていました。また一般的に高配当は利回り3%以上とされいますのでほぼですが高配当と言ってもいい水準になっていました。
この点も検討時にはプラス材料としてみて下さい。
【配当月】
1658:年2回(2/8月の各9日)
EEM:年2回(6/12月)
配当はともに年2回となっていましたので大きな差はありませんでした。では次は購入時に重要な株価についてを比較しながらまとめておきますね。
株価について
■株価(2024年7月3日現在)
2,965円
現在は50日移動平均線の上でしっかりと推移していました。上昇トレンドで動いているので現状は安心できるのではないでしょうか。また確認してみると前回の底値(2023年10月)から約29%の上昇というかなり強いチャートになっていました。
また2024年7月3日現在で1658は約3,000円に対してEEMは約6900円から売買可能になります。1658の方がリーズナブルな点もトレードのしやすさから個人投資家には嬉しいのではないでしょうか。
さらにGoogleFinanceでEEMと1年チャートでトータルリターンを比較しておきますね。
なんと1658が圧倒的にアウトパフォームしていました。
新興国ETFを検討されている方はとてもいい材料になるのではないでしょうか。ですが過去のデータですので今後も同様になるかは分かりませんのでその点はご理解を頂いたうえでご検討をしてみて下さいね。
ではこの1658の株価を構成する組入れ銘柄とセクター比率について次章でまとめておきます。
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組入れ銘柄とセクター比率
■組入れ銘柄
1位:台湾セミコンダクター(7.26%)
2位:テンセント・ホールディングス(3.54%)
3位:サムスン電子(2.95%)
4位:アリババ・グループホールディングス(1.74%)
5位:アムコア(1.68%)
※銘柄名をクリックするとブルームバーグで詳細情報を確認できます
■セクター比率
【組入れ上位5セクター】
1位:情報技術:21.38%
2位:金融:20.63%
3位:一般消費財:11.06%
4位:資本財:9.52%
5位:通信:8.83%
情報技術と金融で約40%程度ですのでメインは金融相場(金利が低くて景気が強い時期)に強い構成になっていました。次に一般消費財と資本財で約20%でこちらは業績相場(金利が高く景気が強い時期)に強い構成となっていました。
また新興国ETFになりますので次章では国別構成比も確認しておこうと思います。
国別構成比率
【組入れ上位5セクター】
1位:中国:24.03%
2位:インド:19.73%
3位:台湾:18.63%
4位:韓国:11.71%
5位:ブラジル:4.49%
上位5国で約80%になっていたので上記の国への投資と言っても過言ではなりません。
では多少は参考になるかもと思ったので上位5国の有名指数の推移もGoogleFinanceで確認をしておきますが過去1年でみると台湾50指数がトップの上昇で次にインドでした。
ちなみにもう少し期間を伸ばして過去5年で見てもほぼ同様の結果でした。
また中国については直近6ヶ月でようやくプラスリターンになりましたが5年から6ヶ月までの間はマイナスリターンでした。回復傾向にあるかと思いますので今後に期待になりますが注意点になるかと思いますので覚えておいていただければと思います。
配当実績
年度 | 配当金(円) | 利回り(%) |
2023年 | 42.0 | 1.99% |
2022年 | 65.0 | 2.79% |
2021年 | 33.0 | 1.52% |
2020年 | 58.0 | 2.87% |
2019年 | 40.0 | 2.25% |
2018年 | 18.0 | 0.81% |
平均 | 42.7 | 2.04% |
上下はしてきていますが平均では2%となっていました。過去実績としては完全な高配当とまではいきませんでしたが中・長期的での投資を検討する際でもプラスの材料にはできそうは水準になっているのではないでしょうか。
1658まとめ
今回は米国や日本以外で投資を検討されている方向けに円でのトレードが可能な新興国ETFの1658(iシェアーズ・コア MSCI 新興国株 ETF)の特徴をドルでのトレードになる新興国ETFのEEMと比較して解説をしてきました。
あらためてですが1658に投資をした場合の3つのポイントは下記になります。
1.分散投資
新興国の株式に幅広く投資が可能
2. 円での取引ができる
東証に上場していて円建ての外国株のファンドなので日本時間で取引可能
3. 新NISA対象
「成長投資枠」の対象ファンドとして投資ができます。
株価については1658はEEMに比べてリーズナブルなためトレードがしやすく銘柄数も確認すると1658の方が多いため分散投資の観点から安心してはじめられると分かります。
さらにチャートも確認しましたが前回の底値(2023年10月)から約29%の上昇と大きなプラスとなっていましたよね。
また配当利回りは過去実績では平均2%程度になるので高配当とまではいきませんがプラスでの利益として安心感は持てるのではないでしょうか。コアとして米国全体に投資が可能なVOOなどのETFをおいて例えばサテライトとして1658のような新興国に分散投資が可能なETFで分散しておくとさらに安全な投資が可能になるのと思います。
ぜひこのタイミングで一度ご検討してみるのはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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